一刻も早く痛みや腫れを和らげるための処置をします。
患部を超音波器械でていねいにきれいにし、場合によっては、その場で抗生物質を服用していただき、膿瘍切開(切開してうみを出す)や抜歯する事もあります。
ただし、痛みを感じないように麻酔下にてやさしく行います。
その後、処方箋をお出しして翌日以降の予約をしていただきます。
歯肉弁切除(かぶっている歯肉をとる)や、消毒などの処置をします。
※場合によっては、下の親知らずに腫れ、痛みがある場合でも、原因である反対側の親知らずをその場で抜いた方がいい場合もあります。
むし歯
親知らずはお口の中の一番奥に生えるために、歯ブラシが届きにくく、むし歯になります。さらに、生えかたが斜めになったりして悪いと手前の歯(大2大臼歯、かみ合わせで大切な歯です)との間に食べ物が残りやすく、自身はもちろん手前の歯にもむし歯を作ります。
歯肉のトラブル
完全に生えず(半埋伏といいます)に中途半端な状態が長期に続くために、周囲の歯肉を刺激し続け、疲れが溜まったりして体調が良くない時に歯肉が痛んだり、腫れたり(智歯周囲炎、俗に云う親知らずが腫れた時)します。智歯周囲炎は数ヵ月~半年位の周期で再発を繰り返し、次第に症状がひどくなる傾向が多いようです。
歯並びの悪化
前の方の歯を後ろから押す(水平埋伏や斜めに生えた場合)ために、前歯の歯並びを乱すことがあります。
顎関節症
顎関節症の原因になることがあります。
痛み
向かい合う相手の親知らずが生えないと、伸びだしてお口が閉じられないほどの激しい痛みが出ることがあります。
①頬(ほお)が腫れる。歯ぐきが腫れる。歯ぐきの異臭。
②奥歯のところが鈍い痛みが続く。
③口をうまく閉じることができない。
④強く噛むと痛い。
↓①~④の原因
<A.親知らずと、歯ぐきや頬(ほお)がおこす問題>
A-1;親知らずはよく歯ぐきの中に埋まっていたり、傾いていたりしています。それで親知らずの周りの歯ぐきのところに食べ残しが溜まりやすく、体調をくずしたりすると、そこから炎症を起こし、歯ぐきが腫れたりします。
また、そこの部分が不潔になるため、歯ぐきに異臭を感じることもあります。

A-2;はえてきた親知らずが反対側の歯ぐきにぶつかる場合。
例えば、上の親知らずが下の歯ぐきにぶつかって痛みを起こす場合。
また、上下の親知らずで歯ぐきをはさみこんで痛みを起こす場合など。
①顎がガクガクする。
②噛み合わせが変な気がする。
↓①~②の原因
<B.親知らずと歯がおこす問題>
B-1; 親知らずと第二大臼歯 ( 親知らずのひとつ前の歯 ) がぶつかり、かみ合わせのトラブルが発生する場合。
一番多いのは下あごの親知らずが延びてきて、上あごの第二大臼歯 ( 親知らずのひとつ前の歯 ) とぶつかっている場合。
下あごの自然な動き ( 前後への動き ) が阻止され、あごがガクガクしたり、頭痛がしたり他の歯に異常なすり減りが見られたりします。いわゆる顎関節症の症状を示します。特に上の親知らずは抜いてもらったが下の親知らずはそのままで、最近になって下の親知らずがのびてきたという人は要注意です。

B-2; 下の親知らずを抜いてもらったが、その後、上の親知らずをそのままにしておいたので上の親知らずがのびてきて、あごを前後に動かすときにぶつかる例です。
①口を大きく開けられないか開けづらい。
②冷たいものや甘いものが凍みる。
↓①~②の原因
<C.親知らずと骨が起こす問題>
C-1;このトラブルは上の親知らずに多く見られ、外側に向いてはえてきた親知らずが、口を大きく開けるとき下あごの根元(筋突起)のところにぶつかることによって起こる場合が多くみられます。 症状としては口が大きく開けられない、口を開けるときひっかかる気がするなどがあります。この場合なるべく早めに抜くことが大切になります

C-2; 時には、骨の中にある親知らずが慢性的な不快感をおこすこともある
<D.親知らず自身が問題の場合>
親知らずが虫歯を起こし痛みがある場合。
親知らずのすり減りからくる冷たい水に凍みる場合。
これらの場合は冷たいものや、甘いものでシャープな短時間の痛みがあり、虫歯の処置や知覚過敏の処置が必要です。
親知らずを抜歯したほうが良い場合
① 手前の歯と同じように生えてきているが、歯磨きが上手にできない場合。
② 中途半端に生えてきていて、歯の一部だけが見えている場合。
③ 横向きに生えてきている場合。
④ 骨の中に完全に埋まっているが、レントゲン写真上問題がある場合。
⑤ 歯並びを悪くする恐れがある場合。
親知らずを抜歯しなくても良い場合
① 手前の歯と同じように生えてきていて、歯磨きも特に問題なくできる場合。
② 骨の中に完全に埋まっていて、レントゲン写真上問題がない場合。
③ その他、特に悪影響を及ぼすことがないと判断された場合。
*親知らずをを抜かずに取っておくと、将来手前の歯が抜けてしまった場合にブリッジの土台や移植歯として使える可能性があります
*ただし、親知らずを土台にしたブリッジはあまりお勧めしません。
① 全身やお口の中の状態
② 麻酔方法の選択(伝達麻酔・浸潤麻酔)
③ 抜歯の是非について
④ なぜ抜歯するのかのご説明
① 咀嚼側の確保(抜歯した反対側の処置)
② 消炎処置(腫れがある時に抜歯すると出血が多いので)
③ 感染源となる歯石やプラークの除去
④ ブラッシング指導
① 麻酔方法と抗生剤の服用時間との関係で、腫れと痛みが変わります。
② いかに素早く抜歯するか…の一言に尽きます。
③ 必要とあれば、レーザー照射により止血、傷口の治りを早めます
*必要とあれば翌々日も来院していただいております
① 全身的疾患がある(但し、医師の許可が得られる場合は除く)
② 開口障害がある(抜歯に必要な機材が、お口の中に入らない場合)
③ 解剖学的に困難(下顎管に接触、もしくは根が湾曲など)
④ 患者様ご本人の理解が得られない
⑤ 社会的理由(お仕事などで予約が取れない場合など)
⑥ 歯科恐怖症の場合

親知らずを抜かないで残しておく場合は主に以下の3つです。
①下の親知らずが正常に生えていて、しっかり噛み合っている場合。
②手前の大臼歯が失われているか、将来的に失う可能性がある場合。
③完全に歯肉の中にもぐっていて、痛みや腫れもない。
原則的に以下の場合以外は別々に抜くことをお勧めします。
①短い期間で親知らずを全部抜かないといけない場合(海外転勤、結婚式、大事な仕事)など。
②患者さんご本人からの強い希望がある場合など。
親知らずの痛みを放置し、歯の周囲に感染した細菌が広がっていく最悪のケースを想定すると、 ↓
①まず親知らず周辺が腫れる。
②感染が顎の下に拡がる。
③感染が喉の周辺まで拡がる。
④感染が心臓周辺まで拡がる。
胸にまで感染すると、一気に心臓周辺まで広がるため、死亡することもあります。首から下に感染が広がってしまった場合の死亡率はなんと20%以上とも言われています。 たかが親知らず、されど親知らずですね‥
抜歯する歯の状態によって異なりますが、保険ですと初診料、検査料、抜歯料、投薬等含めて3割負担で3~7千円ぐらいです。
また、保険証が無い場合は、10割負担になりますので、一万五千円~二万円くらいの負担になると思われます。